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ケアマネージャーとは?仕事内容・なり方・給料からキャリアアップ方法まで徹底解説!【介護のプロを目指すあなたへ】
更新日 2025.06.19
投稿日 2025.06.16


「介護の仕事でもっと専門性を高めたい」「利用者さんやそのご家族のために、より深く関わる仕事がしたい」そんな想いを抱いているあなたへ。介護業界でのキャリアアップの選択肢として、ケアマネージャー(介護支援専門員)という専門職があるのをご存知でしょうか? ケアマネージャーは、介護を必要とする方が適切なサービスを受けられるよう、ケアプランの作成や関係機関との連絡調整などを行う、いわば介護サービスの司令塔のような存在です。 この記事では、「ケアマネージャーって具体的にどんな仕事?」「どうすればなれるの?」「お給料や将来性は?」「ケアマネージャーになった後のキャリアは?」といった、あなたの疑問に徹底的にお答えします。 介護のプロフェッショナルを目指すための一歩として、ぜひ最後までお読みいただき、あなたのキャリアプランの参考にしてください。もしかしたら、この記事があなたの新たな道を開くきっかけになるかもしれません。
目次
そもそもケアマネージャー(介護支援専門員)とは?
ケアマネージャーの役割と社会的重要性

ケアマネージャー(正式名称:介護支援専門員)は、介護保険制度に基づき、介護を必要とする高齢者やそのご家族からの相談に応じ、心身の状況や生活環境、本人や家族の希望などを考慮して、適切な介護サービスを利用できるように支援する専門職です。 高齢化が急速に進む日本において、多様化する介護ニーズに対応し、利用者が尊厳を保ちながら自立した生活を送れるようサポートするケアマネージャーの役割は、ますます重要になっています。まさに、地域包括ケアシステムの要とも言える存在です。
仕事内容を具体的に解説(居宅ケアマネと施設ケアマネの違いも)

ケアマネージャーの主な仕事内容は以下の通りです。
- アセスメント(課題分析): 利用者や家族と面談し、心身の状態、生活環境、希望などを把握し、介護に関する課題を分析します。
- ケアプラン作成: アセスメントに基づき、利用者に必要なサービス(訪問介護、デイサービス、福祉用具のレンタルなど)の種類、内容、利用頻度などを盛り込んだ「ケアプラン(介護サービス計画書)」を作成します。
- サービス担当者会議の開催・運営: 利用者、家族、各サービス提供事業所の担当者などを集め、ケアプランの内容について情報共有や意見交換を行い、合意形成を図ります。
- モニタリング(経過観察): 定期的に利用者を訪問し、ケアプラン通りにサービスが提供されているか、利用者の状態に変化はないかなどを確認し、必要に応じてケアプランを見直します。
- 給付管理業務: 介護サービスの利用状況を管理し、国民健康保険団体連合会への介護給付費請求に関する業務を行います。
- 関係機関との連絡・調整: 市区町村の役所、医療機関、地域の民生委員など、様々な関係機関と連携を取り、利用者を多角的に支援します。
居宅ケアマネと施設ケアマネの違い
ケアマネージャーは、働く場所によって大きく「居宅ケアマネージャー」と「施設ケアマネージャー」に分けられます。
- 居宅ケアマネージャー(居宅介護支援事業所所属): 在宅で生活する高齢者を対象に、自宅を訪問してケアプランを作成し、地域の様々な介護サービス事業所と連携しながら支援を行います。より利用者一人ひとりの生活に密着した、きめ細やかな対応が求められます。
- 施設ケアマネージャー(介護老人福祉施設、介護老人保健施設、有料老人ホームなどの施設所属): 入所している高齢者を対象に、その施設内で提供されるサービスを中心としたケアプランを作成します。施設のスタッフ(医師、看護師、介護職員、リハビリ専門職など)との連携が中心となります。
どちらのケアマネージャーも、利用者の生活を支えるという点では共通していますが、関わる環境や連携する相手が異なるため、求められる知識や動き方に違いが出てきます。
活躍できる場所はどこ?

ケアマネージャーが活躍できる主な場所は以下の通りです。
- 居宅介護支援事業所
- 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
- 介護老人保健施設(老健)
- 特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム、ケアハウスなど)
- グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
- 小規模多機能型居宅介護事業所
- 看護小規模多機能型居宅介護事業所
- 地域包括支援センター
- 病院(退院支援など)
このように、ケアマネージャーの活躍の場は多岐にわたります。
ケアマネージャーになるには?資格取得までの道のり
受験資格と実務経験の要件 – あなたは当てはまる?
ケアマネージャーになるためには、まず「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があります。この試験を受けるためには、特定の国家資格に基づく実務経験、または相談援助業務における実務経験が通算5年以上、かつ900日以上必要です。
主な対象となる国家資格は以下の通りです。 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む)、精神保健福祉士など。
また、生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員としての実務経験も対象となります。
ご自身の経歴が受験資格に該当するかどうか、詳細は必ず都道府県の担当窓口や試験実施団体のホームページで最新情報をご確認ください。
試験の難易度と合格率、気になる勉強方法のヒント

ケアマネージャーの試験は、合格率が例年10%~20%前後と、難易度の高い試験として知られています。出題範囲は「介護支援分野」と「保健医療福祉サービス分野」の2分野で、介護保険制度全般、高齢者ケアに関する医学知識、福祉サービスに関する知識など、幅広い知識が問われます。
合格のためには、計画的な学習が不可欠です。
- 過去問の徹底分析: 出題傾向を把握し、重点的に学習すべきポイントを絞り込みましょう。
- テキストや問題集の活用: 分かりやすい解説のあるテキストを選び、繰り返し問題集を解くことで知識の定着を図ります。
- 通信講座やスクールの利用: 専門講師による指導やカリキュラムで効率的に学習を進めたい方におすすめです。
- 勉強時間の確保: 仕事と両立しながら学習する場合、スキマ時間を活用するなど、計画的に勉強時間を確保することが重要です。
諦めずにコツコツと学習を続けることが合格への近道です。
合格後も重要!資格取得後の研修について

試験に合格しただけでは、すぐにケアマネージャーとして働けるわけではありません。合格後には、都道府県が実施する「介護支援専門員実務研修」を修了する必要があります。この研修では、ケアプラン作成の演習や、ケアマネジメントに必要な専門知識・技術を実践的に学びます。 研修を修了し、介護支援専門員として登録されることで、ようやくケアマネージャーとして業務を行うことができるようになります。
さらに、ケアマネージャーの資格は5年ごとの更新制です。更新のためには、定期的な研修(更新研修や専門研修など)の受講が義務付けられており、常に新しい知識や技術を学び続ける姿勢が求められます。
ケアマネージャーのやりがいと大変さ – リアルな声をお届け
専門職としての大きなやりがい、利用者に寄り添う喜び

ケアマネージャーの仕事は、責任が重い反面、大きなやりがいを感じられる瞬間がたくさんあります。
- 利用者の生活を直接支えられる: 適切なケアプランを作成し、それによって利用者の生活が改善されたり、笑顔が増えたりした時に、大きな達成感と喜びを感じられます。
- 「ありがとう」の言葉が励みに: 利用者やその家族から感謝の言葉を直接伝えられる機会も多く、それが日々の業務のモチベーションに繋がります。
- 専門知識・スキルが活かせる: 介護保険制度や医療・福祉に関する幅広い知識を駆使し、多職種と連携しながら利用者を支援するプロセスは、専門職としての醍醐味です。
- 自律性が高い仕事: 利用者一人ひとりに合わせたオーダーメイドの支援を行うため、自身の裁量で計画を立て、実行していく場面が多く、主体的に仕事に取り組めます。
- 社会貢献を実感できる: 高齢化社会を支える重要な役割を担っているという実感は、大きな誇りとなるでしょう。
仕事で感じる厳しさ、責任の重さとは?

一方で、ケアマネージャーの仕事には大変な側面もあります。
- 責任の重圧: 利用者の生活や時には命にも関わるケアプランを作成するため、常に大きな責任が伴います。判断に迷う場面や、難しい調整が必要なケースも少なくありません。
- 多忙な業務と時間管理の難しさ: 書類作成、訪問、会議、関係機関との連絡調整など、業務は多岐にわたり、時間管理が難しいと感じることもあります。緊急対応が必要になる場合もあります。
- 精神的な負担: 様々な悩みや困難を抱える利用者や家族と向き合う中で、精神的な負担を感じることもあります。感情のコントロールやストレスマネジメントが重要になります。
- 多職種連携の難しさ: 多くの関係者と連携を取る中で、意見の衝突や調整の難しさを感じることもあります。高いコミュニケーション能力と調整力が求められます。
- 制度改正への対応: 介護保険制度は定期的に改正されるため、常に最新情報を学び、対応していく必要があります。
しかし、これらの困難を乗り越えることで、ケアマネージャーとしてのスキルアップや人間的な成長に繋がるとも言えます。
ケアマネージャーに向いている人、求められるスキル
ケアマネージャーとして活躍するためには、以下のような資質やスキルが求められます。
- コミュニケーション能力: 利用者や家族の思いを丁寧に聞き取る傾聴力、分かりやすく説明する力、多職種と円滑に連携する力。
- 課題解決能力・判断力: 利用者が抱える課題を的確に分析し、最適な解決策を導き出す力、状況に応じた適切な判断力。
- 共感力・寄り添う力: 利用者の立場に立って考え、心に寄り添う姿勢。
- 公平性・中立性: 特定のサービスや事業者に偏ることなく、利用者にとって最善の選択ができる公平な視点。
- 計画性・調整力: ケアプラン作成やサービス調整を計画的に進め、関係各所との調整をスムーズに行う力。
- 事務処理能力: ケアプランや給付管理など、正確な書類作成能力。
- 学習意欲・向上心: 常に新しい知識や情報を学び続ける意欲。
- 精神的なタフさ: 責任の重さや困難な状況にも前向きに取り組める精神力。
これらのスキルは、最初から完璧に備わっている必要はありません。実務経験を積み重ねながら、意識して磨いていくことが大切です。
ケアマネージャーの給料と将来性 – 知っておきたいお金と未来の話
平均給与とキャリアによる年収アップの可能性

ケアマネージャーの給与は、勤務先の種類(居宅か施設か)、地域、経験年数、保有資格(主任ケアマネージャーなど)によって異なります。 厚生労働省の調査によると、介護職員全体の平均給与と比較して、ケアマネージャー(介護支援専門員)の給与水準はやや高めになる傾向があります。 経験を積み、主任ケアマネージャーなどの上位資格を取得したり、管理職になったりすることで、さらなる年収アップも期待できます。
転職を考える際には、給与だけでなく、福利厚生や研修制度、職場の雰囲気なども含めて総合的に比較検討することが大切です。
高齢化社会で高まる需要と将来性

日本は世界でもトップクラスの高齢化社会であり、今後も高齢者人口は増加していくと予測されています。それに伴い、介護サービスのニーズもますます高まり、ケアマネージャーの役割はより一層重要になっていきます。 介護保険制度の中核を担う専門職として、ケアマネージャーの需要は今後も安定して高い状態が続くと考えられます。
また、地域包括ケアシステムの推進により、医療と介護の連携強化、認知症施策の推進、看取り支援など、ケアマネージャーに求められる役割も多様化・高度化しており、専門性を高めることで活躍の場はさらに広がっていくでしょう。 将来性のある仕事として、長期的なキャリア形成を目指せる職種と言えます。
ケアマネージャーからのキャリアアップと介護業界での多様な道
スペシャリストを目指す!主任ケアマネージャーへのステップアップ

ケアマネージャーとしての専門性をさらに高めたい方には、「主任ケアマネージャー(主任介護支援専門員)」へのステップアップという道があります。 主任ケアマネージャーは、ケアマネージャーの上位資格であり、地域のケアマネージャーへの指導・助言、困難事例への対応、地域包括支援センターなどでの中心的役割を担います。 主任ケアマネージャーになるためには、一定期間以上のケアマネージャーとしての実務経験と、専門の研修を修了する必要があります。より高度な知識とスキルが求められますが、処遇改善やキャリアアップに繋がる魅力的な資格です。
独立という選択肢も!独立型ケアマネージャーとは?

経験を積んだケアマネージャーの中には、独立して「独立型居宅介護支援事業所」を開設する人もいます。 独立型ケアマネージャーは、特定の法人に所属せず、自ら事業所を運営し、地域住民の介護相談に応じたり、ケアプランを作成したりします。 自身の理念に基づいたケアマネジメントを追求できる、自由度の高い働き方ですが、経営者としての能力も求められます。
ケアマネ経験を活かせる他の職種(例:事業所の管理者、教育・研修担当など)

ケアマネージャーとしての経験や知識は、他の職種でも活かすことができます。
- 介護事業所の管理者・施設長: ケアマネジメントの知識は、事業所全体の運営やサービスの質の向上に役立ちます。
- 地域包括支援センターの職員: 高齢者の総合相談窓口として、より幅広い視点から地域福祉に貢献できます。
- 介護福祉士養成校や研修機関の講師: 後進の育成に携わる道もあります。
- 介護コンサルタント: 介護事業所に対して、運営改善や人材育成に関するアドバイスを行う専門家として活躍することも可能です。
ケアマネージャーだけじゃない!介護業界の多彩なキャリアパス

介護業界には、ケアマネージャー以外にも多様なキャリアパスが存在します。
- 認定介護福祉士: 介護福祉士の上位資格で、より質の高い介護実践やチームマネジメント、他職種連携の中核を担います。
- サービス提供責任者: 訪問介護事業所で、ケアマネジャーと連携し、ヘルパーの指導や訪問介護計画の作成などを行います。
- 生活相談員: 介護施設などで、利用者や家族からの相談に応じ、入退所の手続きや関係機関との連絡調整などを行います。
- 機能訓練指導員: 利用者の身体機能の維持・向上を目指し、リハビリテーションの計画・実施を行います(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師などが該当)。
自身の興味や適性、目指す将来像に合わせて、様々なキャリアを選択できるのが介護業界の魅力の一つです。
ケアマネージャーを目指すあなたへ – 私たちができるサポート

未経験から目指す場合のポイント、経験を活かしたい方へのアドバイス
- 実務経験がない、または浅い方へ: まずは介護現場での実務経験を積むことが第一歩です。介護福祉士の資格取得を目指しながら経験を積むのも良いでしょう。その上で、ケアマネージャー試験の受験資格を得るためのキャリアプランを一緒に考えましょう。
- 介護職としての経験を活かしたい方へ: これまでの経験は、ケアマネージャーとして働く上で大きな強みになります。利用者様の気持ちを理解し、現場の状況を踏まえたケアプラン作成に繋がるでしょう。試験勉強と仕事の両立は大変ですが、目標を持って取り組めば道は開けます。
- 他の専門職からのキャリアチェンジをお考えの方へ: 看護師や相談援助職など、これまでの専門性を活かしつつ、より利用者の生活全体をコーディネートする役割に魅力を感じる方も多いでしょう。これまでの知識や経験は、多職種連携において非常に役立ちます。
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「ケアマネージャーに興味があるけど、何から始めたらいいかわからない」「自分に合った求人を見つけたい」「試験勉強と仕事の両立が不安」など、どんなことでもお気軽にご相談ください。あなたのキャリアアップを、まちかど看護・介護が全力で応援します。
まとめ:ケアマネージャーは介護のプロフェッショナル!挑戦する価値と明るい未来
ケアマネージャーは、介護を必要とする方々が、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けるために不可欠な存在です。その仕事は、専門的な知識やスキルが求められると同時に、大きなやりがいと社会貢献を実感できる、魅力あふれる専門職です。 資格取得までの道のりは決して簡単ではありませんが、計画的に学習を進め、チャレンジする価値は十分にあります。
この記事を通して、ケアマネージャーという仕事の理解を深め、あなたのキャリア選択の一助となれば幸いです。介護業界でのキャリアアップを目指し、新たな一歩を踏み出そうとしているあなたを、私たちは心から応援しています。 ご自身の可能性を信じて、ぜひケアマネージャーという道も検討してみてください。